関西地方の30代男性は、昨年の春まで職場の上司の圧力に連日、さらされていました。男性は2児の父親です。
仕事と家庭の両立に四苦八苦していたところ、上司からは「仕事優先」を強く求められました。「精神の方は何とかもっていましたが、体はどうにも耐えられなかったのだと思います」。男性は、限界を迎えていました。
(朝日新聞記者・高橋健次郎)
■上司「お前のため思って」
男性は、あらかじめ決められた時間を働いたものとみなす裁量労働制の職場に勤務しています。ただ、男性個人の裁量はあまりないそうです。成果が求められるため、長時間労働に追い込まれがちと話します。
上司については「バリバリ仕事をするタイプ」と話します。上司には共働きの妻がおり、子どもはいません。常に仕事に集中していて、周囲は24時間いつでも働けることを求められていました。「晩に来たメールを翌日に返信するのはありえない」。男性は上司にそう言われたこともあります。「好意的にみれば、私に、仕事での実績を作らせようという意図があったのかもしれません。
『お前のためを思って言っているんだ』とも口にしていました」
■増える妻の負担
上司の叱責(しっせき)が続いていた頃、男性の妻は第2子を出産しました。一昨年の秋のことです。男性も、洗濯をしたり、第1子の長女の面倒をみたりして、家庭での役割を果たそうとしました。ただ、上司の求めが変わったわけではありませんでした。
子どもたちが寝た後、仕事を片付けようとしましたが、一向にはかどりませんでした。
「仕事も家庭もうまく回らず、歯がゆい思いでした」
先に限界を迎えたのは妻でした。家庭に割ける時間が限られる中、負担が増えていました。
「そんなに仕事が好きなら、仕事だけしていればいいじゃない!」。男性を怒鳴る妻の声に「これでは家庭が壊れると思いました」
■体が限界、選んだ「家庭優先」
危機感を覚えて家庭に軸足をうつす男性に、仕事優先の上司の叱責が続きました。
「子どもをつくったのは自己責任だろ」
「仕事の締め切りには死んでも間に合わせろ!」
「家庭を仕事の言い訳にするのは、人としてどうなんだ?」
男性の体も限界を迎えます。上司の叱責中に、激しいめまいがして、その場に倒れ込んでしまいました。昨春です。医師の診断は「メニエール病」。職場のストレスが大きいと告げられました。
「上司に『見捨てられるのでないか』。かつては、そんなおびえもありました。ただ、体が限界を迎えたことで、どう思われようが無理を続けてはいけないと吹っ切れました。『家庭優先』と決めました」
■職場に見切り
治療は今も続き、体調管理のために、早めに仕事を切り上げています。帰宅後は、子どもの寝かしつけ、皿洗いや洗濯、翌日の保育園の準備など、忙しく動き回っています。「娘は、保育園で覚えた歌をうたってくれたり、塗り絵がうまくなったり。
第2子の息子は、おぼつかなかった足取りがしっかりとしてきました。そんな成長を見られて、家庭では満たされています」
ただ、仕事に対する満足度は低いと話します。
「点数をつけるとすれば、30点くらいでしょうか。目いっぱいアクセルを踏んでいるのに、タイヤが回らない感覚です」
男性は、今の職場に見切りをつけたと話します。「子育て中の男性に対する理解がないのだと諦めました」
専門性を生かして、両立に理解のある職場への転職に向けて準備を進めています。
※下記リンクより、一部抜粋。続きはソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/9485139c6570b17408925df7766521381402561b
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Source: アルファルファモザイク
ワイ「子供もできたし、家庭優先にしたろ!」 上司「子どもをつくったのは自己責任だろ」「仕事の締め切りには死んでも間に合わせろ!」